選挙に行かないとどうなる?
罰則の有無と、八王子で起きた「94票差」
日本では、選挙に行かなくても罰則も罰金もありません。投票は義務ではなく権利だからです。 ただし「自分の1票では何も変わらない」が事実かというと、そうとも限りません。 2023年の八王子市議選では、当選と落選を分けたのは94票差、次点争いは1票差でした。 このページでは、罰則の有無、世界の制度、白票の扱い、そして八王子で実際に起きたことを、 公開データと出典つきで整理します。
日本では罰則も罰金もない
投票に行かなかったことで、罰金を科されたり、行政サービスで不利益を受けたりすることは一切ありません。 日本国憲法は投票を「権利」として保障しており、公職選挙法にも棄権に対する罰則の定めはありません。 誰に投票したかを答える義務もなく、投票の秘密は守られます。
「行かない」という選択も権利のうち
棄権は違法でも不正でもありません。このサイトは投票を強制したり、 行かない人を責めたりする立場を取りません。 ただ、判断するための材料は多いほうがいいと考えています。以下は、その材料です。
世界には「投票が義務」の国もある
投票を法律上の義務としている国は、世界に約30か国あります。 有名なのはオーストラリアで、1924年に義務投票制を導入し、正当な理由なく投票しなかった場合は 20豪ドル程度の過料が科されます。同国の投票率は90%を超える水準で推移しています。 罰則の内容は国によって異なり、過料のほか、選挙人名簿からの抹消などを定める国もあります。
日本でも義務投票制の是非は議論されることがありますが、2026年7月時点で導入されていません。 「投票しないと罰金」という情報を見かけた場合、それは日本の制度ではありません。
白票を出すことに意味はある?
白票(何も書かずに投じる票)は無効票として扱われ、当落の結果には影響しません。 ただし投票所に足を運んだ事実は記録されるため、投票率には反映されます。 「支持したい候補はいないが、無関心ではないと示したい」という意思表示として選ぶ人がいる一方、 結果を動かす力はないという評価もあります。どちらの理解も事実に基づいています。
八王子で実際に起きたこと:94票差、そして1票差
「自分の1票では変わらない」という感覚は自然なものです。 ただ、2023年4月23日に行われた八王子市議会議員選挙の公式結果を見ると、 市議選ではごく少数の票が当落を分けていることがわかります。
| 順位 | 当落 | 得票数 | 次の順位との差 |
|---|---|---|---|
| 40位 | 当選(最下位当選) | 3,010 | 94 票 |
| 41位 | 落選(次点) | 2,916 | 4 票 |
| 42位 | 落選 | 2,912 | 1 票 |
| 43位 | 落選 | 2,911 | — |
定数40の最後の1議席をめぐる差は94票。 さらに42位と43位のあいだは1票差でした。 市議選は候補者が多く、1人あたりの得票が数千票規模になるため、 国政選挙よりも1票の重みが結果に表れやすい選挙です。
投票しなかった人は261,191人
同じ選挙の有権者数は465,087人、 投票した人は203,896人で、投票率は43.84%でした。 つまり261,191人が投票していません。 この人たちのうち100人が同じ候補に投票していれば、40位と41位は入れ替わっていた計算になります。 2019年の前回投票率は44.89%で、投票率は微減傾向です。
投票率が下がると何が起きると言われているか
投票率と政策の関係については、いくつかの見方があります。断定を避け、代表的な議論を併記します。
- 「シルバー民主主義」論 — 高齢層の投票率が若年層より高い状態が続くと、政治が高齢層向けの政策に傾き、 世代間で不公平が生じるという指摘があります(ニッセイ基礎研究所ほか)。
- 反論・慎重論 — 政策の決まり方は投票率だけでは説明できず、「シルバー民主主義」という枠組み自体を 単純化しすぎだと批判する研究者の議論もあります(SYNODOS掲載の吉田徹氏の論考ほか)。
- 共通して言えること — 候補者や政党が、投票してくれる層の関心事を意識するのは自然なことです。 その意味で、どの層がどれだけ投票するかは、政治が何を優先するかに影響を与えうると考えられています。
どの見方が正しいかを当サイトは判定しません。関心があれば出典元の論考を直接お読みください。
「行きたいけど、時間がない・誰に入れるか分からない」なら
棄権の理由として多いのは、制度上の壁ではなく「予定が合わない」「判断材料がない」です。 どちらにも解決策があります。
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期日前投票【八王子市版】
投票日に予定がある人へ。市内8か所・理由は「レジャー」でも大丈夫です。
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不在者投票のやり方
住民票を移していない学生・単身赴任の人も、いま住んでいる街から投票できます。
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子育て・防災など、関心のあるテーマを議会で取り上げた議員がわかります。
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このサイトの歩き方
「誰に投票するか」を自分で決めるための5ステップガイド。
まとめ
- 選挙に行かなくても、日本では罰則・罰金は一切ない
- 世界には約30か国の義務投票制の国があり、オーストラリアでは過料が科される
- 白票は無効票だが、投票率には反映される
- 2023年の八王子市議選では、当落が94票差、42位と43位は1票差だった
- 投票しなかった有権者は261,191人。市議選は1票の重みが表れやすい選挙といえる
行く・行かないを決めるのはあなたです。もし行くと決めたなら、 投票のやり方とこのサイトの歩き方が、次の一歩の役に立ちます。 「制度は分かった。でも、どうせ変わらないと感じる」という方には、 説得をしない記事を別に用意しています。
よくある質問
選挙に行かないと罰金を取られますか?
取られません。日本では棄権に対する罰則は定められておらず、行政サービス上の不利益もありません。
白票を投じることに意味はありますか?
白票は無効票として扱われ当落には影響しませんが、投票率には反映されます。意思表示として選ぶ人もいます。
1票で選挙結果が変わることは本当にありますか?
市議選では起こりえます。2023年の八王子市議選では、当選最下位と次点の差が94票、42位と43位の差は1票でした。
投票率が低いと何が問題なのですか?
投票する層の関心事が政治に反映されやすくなるという指摘があります。ただし、投票率だけで政策が決まるわけではないという慎重な見方もあります。
投票日に予定があって行けません。
告示日の翌日から投票日前日まで期日前投票が利用できます。理由は旅行やレジャーでも問題ありません。
- 八王子市選挙管理委員会 選挙結果(2023年市議選の得票・投票率)
- 総務省 なるほど!選挙(投票制度)
- 主な投票義務制採用国(国立国会図書館調査資料をもとに作成・文部科学省掲載)
- ニッセイ基礎研究所「シルバー民主主義と若者世代」
- SYNODOS 吉田徹「『シルバー・デモクラシー』の虚偽」
- 2023年八王子市議選の全結果(当サイト・全58候補)
得票数・投票率は八王子市選挙管理委員会の公表資料に基づきます(得票数の小数は按分票によるもの)。 制度に関する記述は2026年7月時点の情報です。公開日: 2026年7月18日 / 最終更新: 2026年7月18日。
免責: 本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、 特定の政党・候補者の支持、推薦、反対を意図するものではありません。 投票に行くかどうかの判断は読者ご自身に委ねられます。 制度・手続きの詳細は、必ず八王子市選挙管理委員会および総務省の公式情報をご確認ください。